| Silk Poem |
| 母の織る愛情の絹布 |
| タイ詩人;バイワリン・カーオガーム 作 |
| 母は桑を植えて せっせとマユを育てる 愛情をこめて てきぱきと働く姿には希望がある 清らかな手で どんどん絹糸をたぐり出し 時間をかけて 美しくつややかにそれを繰る 心のこもったその手で 順々に紡ぎ出す絹の糸を その一本ずつが布になる 機(ハタ)を踏む足にこそ魂が 杼(ひ)を掴む手の動きにこそ 生命が宿る 母が織ってくれたばかりの布 愛を結ぶ絹糸の 目にもまばゆい美しさ 心をつなぐ絹糸を 母は作り出す 母の捧げる絹を 母が織り 子に伝える 子は母からの布を身に纏う その絹を作り給いし母は偉い人 どの布にも生命があり 心と魂が宿る なんとも見事に織り上げられている 絹を織る母の手は ほそ腕だが かつては よく この手で子どもを 叩いたものだ そして この同じ ほそ腕が 生きる苦難と闘い 今では 子どもを 守ってくれる ああ この手こそが 仕事に生命を与える 銭もうけしよう などとは いささかも 思わず 苦労を ものともせず 織り続け 新しい絹布を産み出すために 精を出す 娘には 家事を教え 肩を並べて 織りを教える 仕事を 永遠に伝えるために 母の手から 力が 抜けて 動かなくなってしまう前に そして 息子には 誇りをもたせる 母を愛するなら しっかり 働けと 絹布に こもった 繊細な 愛情の糸で 母のように 懸命に 働き続けよと 教える やがて 母の亡き後にも まことの子なら 織り続けて いける 母から子へ 脈々と 機(ハタ)を踏むことができる 新しい生命ある布は また きっと 美しいに 違いない |